今月のキャリア・アップNewsレターでは、以下の3つの話題を皆様にお伝えします。
1.「褒める」ことが苦手なリーダーへ
褒めることが難しいというリーダーほど、「褒める」ことを誤解している?!
「褒める」ことの効用と、部下育成に効果を発揮する「褒め方のコツ」をお伝えします。
2.やってはいけないこんな叱り方、事例で確認!マネジメントスキル
「叱る」ことが苦手なリーダー・管理職の方、もう一度、「叱る」ことについて確認してみましょう。
3.キャリア・アップ主催公開研修「リーダシップ研修」第1回目終了のご報告
私の仕事柄、色々な企業の管理者研修をやらせていただいておりますが、その参加者の中には、「褒めることが苦手」とか「うちの部下には褒めるところがない」と言い切る管理者に出会うこともあります。
◎なぜ、褒めることができないのか??
そこで、なぜ褒めることができないのかをある研修内で質問したことがあります。そうすると・・・「甘やかしになるから」・・・、とか、「結果も出ていないのに、何を褒めるんだ」という言葉が返ってきました。また、「褒めると、自分が負けになるから」という人もありました。
なるほど、確かに、言わんとすることもよく分かります。しかし、褒めることが、すべての人の「甘やかし」となるのでしょうか? また、こんな人もいました。「結果の出来を見て、合格ラインを超えた時しか褒められないし、褒めるとはそういうことだ」と思い込んでいるのです。その理由を聞いてみると、若いころ上司にそうされたから、褒めるとはそういうものだと思っていたようです。
◎褒められない状態が続くとどうなるのか??
それでは、人間は「褒められない」状態が続くと、どうなるのかを考えてみると・・・
人間とは弱いもので、褒められない状態が続くと、よほどのことが無い限り、モチベーションが下がり、行動しなくなって行きます。極端ですが、ある人は「褒めてもらえないので、死にたくなった」という人もおりました。
特に、成長の初動段階の、まだ能力が低い状態の人は、そうでなくても自分に自信がなく、恐る恐る行動するレベルにいます。そういう人は、褒めて小さな自信を持たせて一歩前に前進させることが重要になってきます。しかし、上記のように「褒められない」人にとってみれば、その段階にいる人を全く褒められないのです。無理に褒めようと思っても、それが嘘になり、相手にもそれが伝わってしまい、褒めたことにならないのです。
★褒めるとは、相手に対する「評価による言葉かけ」ではなく「育成のための言葉かけ」である。
◎能力の低い人を褒める「3つのポイント」
では、嘘をつかずに能力の低い人を褒めるには、どうしたらよいのでしょうか。
そこには、大きく「3つのポイント」があります。
- 「気づき」をほめる、ということ。
今まで気付かなかったことに、気付いたということを見つけて褒める訳です。
部下をよく見ると、ミスは多いけれど、周りに対する気配りは誰よりも抜群であることに気づいたらそれを褒めてみるなど。
- 少しでも変化したことを褒める。
結果の出来にフォーカスすると、合格ラインを超えないと褒められませんが、小さな変化を成長したと捉えることが出来たら、そんな時にささやかな変化であってもそれは、喜ばしいことなので、素直に褒められます。
- 失敗をしたときに、肯定的な声かけをする、ということ。
(褒めるということと少し ニュアンスが違いますが)
今までは、「ダメじゃないか!」といった、否定的な言葉を言ってしまいがちですが、それを、「○○に気付けて良かったじゃないか」という表現をすることです。
失敗は気づきのきっかけですから、相手を失敗にフォーカスさせるのではなく、気づきにフォーカスさせる声かけをするのです。そして、今度失敗しないためには、どうしたら良いか、という視点で考えるように促していく。そうすると、褒められないということはなくなり、本心でポジティブなメッセージを相手に伝えられるようになるのです。
私としては、今まで、相手の出来ていないところばかりにフォーカスして、イライラ
していましたが、上記「3つのポイント」で実践してみると、そのイライラがかなり
軽減されてきました。
◎余分なエネルギーロスをなくして業績につなげる
育てなければいけない人にイライラする時は、結構無駄なエネルギーロスになります。それに、その当事者以外の周りの人にも、ときに悪影響を与えてしまうことにもなります。そのストレスによるエネルギーロスが無くなるということは、非常に大きなことです。
ロスしていた分のエネルギーを、育成の方により注ぐことが出来るようになると、本来集中しなければならない業務に特化でき、より一層良い成果につなげやすくなりますね。
さて、こうしてみると「褒めることが苦手」など言っている場合ではありませんね!!
管理職、リーダー職の皆さんにとって、「叱る」とはどんなイメージを持つ言葉でしょうか?「叱責」「叱咤
激励」などの言葉や、「叱」という漢字には「ののしる」という意味もあるため、感情が激しく溢れ、それを
ぶつけているようなイメージはありませんか?そのため、「叱ることは避けたい」や「叱ることは嫌なこと」
と思っている方もいるでしょう。
でも本当に、「叱る」ことは嫌なこと、気の重いことでしょうか?
「叱ること」について、こんな定義がありましたのでご紹介します。
「怒る」=相手への期待が無く、相手をよりよい方向に導かないもの。
「叱る」=相手への期待を込め、相手をよりよい方向に導くもの。
(出典:「これからの教え方の教科書」 阿部淳一郎著)
相手の行動が良くないものだとしたら、それを指摘するだけではなく、それを認識、矯正させ、次回から良い行動がとれるように叱ります。これらの事を図表にすると次のようになります。
指摘するだけで終わってしまう場合がありますが、その場合、行動が矯正されず良くない行動が繰り返されます。「よくない行動」が「よい行動」に変わるために「叱る」ので、必ず「矯正の仕方」を教えてあげる必要
があります。
どうでしょうか?「叱る」ことに対してのイメージが変わりませんか?「叱る」ことは、決して感情をぶつけたり、ネガティブな気持ちを生み出すものではないのです!
次回のNewsレターでは、具体的な事例を交え、「叱り方」について見ていきます!
去る9月2日(月)に、弊社主催のリーダシップ研修(全4回)の第1回目が無事終了しました。今回の研修は
少人数のため、講師である須山との距離感も近く、アットホームな雰囲気の中、研修を進めることができました。この
研修の中で、皆様に特にお伝えしたいのは、
「リーダー ≠ リーダーシップ」。
須山の考えるリーダーシップとは、「トップに限らずチームの誰かが『今、自分が何かしなければならない』と思った時、自らの思いを表現し(旗を揚げる)、時に自分の裁量を超えて周囲に働きかけていくこと」なのです。
リーダーシップ研修って、リーダーが受けるものじゃないの? と思っている皆さん!部下がいなくてもいいんです!今現在、リーダーの職になくてもいいんです!この想いを持つことで、周囲を巻き込み、引き出し、仲間と協働できるのです。第1回目の今回は、講義や研修ゲームを通じて、受講生の方々にこの想いを体感していただく時間を多く持てたと感じております。第2回目からは、更に仲間とのコミュニケーションのスキルを身に付け、この想いを、意識レベルに更に行動レベルにつなげていきます!ご興味のある方は第2回目からの途中受講もできますので、キャリアアップ宛に是非お問い合わせください!
お問い合わせ:info@career-up.co.jp まで
<編集後記>
・頂きものの栗の処理に悩み、せっかくなので人生初の栗ご飯に挑戦!鬼皮、渋皮と格闘し、2時間かけてやっとできた栗ご飯を家族は完全スルー。涙しかないっ…。(河)
・今年は娘の七五三、家族和装で写真撮影をする予定。なかなかこんな機会もありませんね・・次は成人式?(花)